新規市指定文化財候補「浅間火山観測所(湯の平)跡」の答申について
令和6年3月26日(火曜)に、新規市指定文化財候補「浅間火山観測所(湯の平)跡」について、文化財保護審議会より答申を受けました。
今後は、令和6年4月に開催予定の小諸市教育委員会定例会での審議を経て、市指定文化財の指定が決定する見込みです。
なお、指定の日付は告示日(未定)となります。
本件が指定されると、市内指定文化財(国、県、市すべて含む)は49件目となります。
浅間火山観測所(湯の平)跡とは
基本情報
名 称
浅間火山観測所(湯の平)跡
所在地
長野県小諸市大字菱平字高峰
面 積
578平方メートル
浅間火山観測所(湯の平)跡 位置図
概 要
浅間火山観測所(湯の平)跡は、浅間山火口の西南西約2.3kmの湯の平にあります。
明治44年(1911)に、長野県により建設された、我が国最初の火山観測所の跡です。火山の常時観測を実施することで噴火のメカニズムを解明し、火山災害に対する不安の解消と、噴火にかかる注意喚起、精緻な情報提供を実現することを目的に設立されました。
明治44年8月26日に地震計を据え付けて観測を開始しましたが、昭和4年(1929)に観測を中止しています。その後、昭和22年(1947)に浅間山噴火による火災のため建物は焼失しています。
観測所建物は木造平屋建ての建物で、面積は建設当初約20坪(66平方メートル)、大正9年(1920)増築後は約30.5坪(100.65平方メートル)です。間取りは、コンクリート製の地震計台がある観測室、事務所、宿直室で構成されます。建物前面に百葉箱のある観測露場が設けられていました。
大正9年には西側に物置、押入、湯殿、便所が増設されました。また、時期は不明ですが、風向を計測する木柱、警察電話線を引き込む電柱、主屋の東側に物置と思われる小屋も設置されています。なお、電話線は後に時刻補正用の無線報時受信としても利用されました。
当時の概観_色彩絵葉書
現況(2023年10月30日撮影)
本質的価値
・我が国最初の火山観測を主任務とする常設施設であること。
・はじめて、火山の常時観測が実現した場所であること。
・現在取り組まれている様々な火山防災施策の始まりの場所であること。
浅間火山観測所(湯の平)は、火山災害に対する不安の解消と、噴火にかかる注意喚起、精緻な情報提供を実現することを目的に設立された我が国最初の火山観測施設です。
浅間山山中に専用の建物と土地が用意されたことにより、はじめて火山の常時観測が可能になり、蓄積された観測データは噴火のメカニズムを解明するうえで、今も大いに役立っています。
何よりもその設立趣旨は、現在取り組まれている様々な火山防災施策の端緒に位置づけられるもので、火山防災の歴史を理解するうえで欠くことができない史跡であるといえるでしょう。
詳細は、「概報」をご覧ください。
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更新日:2024年04月12日