施政方針

小諸市議会3月定例会

 

 

 

令 和 6 年 度

 

施 政 方 針

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小諸市長 小 泉 俊 博

 

本日、令和6年3月小諸市議会定例会の開会にあたり、私の市政経営に対する所信の一端を申し述べ、市議会並びに市民の皆様の一層のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 

早いもので、令和2年4月に市長2期目に就任して以来、4年が経過しようとしております。

この間、少子高齢化等により人口減少社会が進展する中、持続可能な自治体であり続けることを目指し、2期目の公約に掲げた「健幸都市こもろ(小諸版ウエルネス・シティ)」を旗印に、市内外の方から「選ばれるまち」となるため、市職員の先頭に立ち市政経営に取り組んでまいりました。

 

そして、この4年間は、新型コロナウイルス感染症対応に奔走した4年間でもありました。未知のウイルスの蔓延により先行きが不透明な状況の中、行政の役割を果たすべく「命と健康」を守ることを最優先に、刻々と変化する情勢に迅速に対応してまいりました。

日本全国でワクチン接種の予約ができないと連日報道される中、「小諸モデル」と称された、日時指定と高齢者を対象とした送迎 バスによるワクチンの集団接種を行い、各方面から称賛いただいたほか、子育て世帯や高齢者世帯への生活支援を始め、影響の著しい業種への支援等、生活支援や経済対策として、国の地方創生臨時 交付金を有効に活用しながら取り組んでまいりました。

昨年5月に感染症法上の位置づけが5類に変更になったことにより、市民生活は元に戻りつつありますが、他方では、ロシアによるウクライナ侵攻に加え、イスラエル軍とパレスチナの武装勢力ハマスの戦闘などにより、原油価格をはじめ食品などの物価高騰が、市民生活に多大な影響を及ぼしています。

このような状況下でありましたが、市民の皆様や企業、各種団体の皆様のご努力やご支援により、着実に歩みを進め、見える形で成果が現れてきた事業も数多くありました。

 

この4年間を振り返ってみますと、令和2年度においては、本市の教育の目指すべき姿や方針を定めた小諸市教育大綱・小諸市教育振興基本計画からなる第2期目の「こもろ未来プロジェクト 教育編」を策定したほか、市民・事業者・行政が一丸となって地球温暖化対策に取り組む必要から「小諸市気候非常事態宣言」を行いました。

また、アプリを活用した「健幸マイレージ事業」の拡充や、福祉施策推進の指針となる「高齢者福祉計画」、「小諸市障がい者プラン」など、種々の分野別計画も第11次基本計画に合わせて策定して まいりました。

このほか、動物園再整備計画の実施設計や、複合型中心拠点誘導施設の建設に着手したほか、地域全体の防災の要となる「新消防 庁舎」が完成しました。

さらに、市長公約を反映させた「第11次基本計画」を、SDGsを取り入れて策定し、人口減少を克服し自立的で持続的な社会の創生を目指す「小諸市第2期まち・ひと・しごと総合戦略」を策定してまいりました。

 

令和3年度においては、複合型中心拠点誘導施設の愛称を「こもテラス」とし、施設内に就労中の子育て世代ニーズの高かった「病児病後児保育施設(こもろスマイル園)」の新設や、子育てを社会で支えていく「ファミリーサポートセンター」、市民活動を支援する「市民活動・ボランティアセンター」、高齢者の活動を支える「高齢者福祉センター(こもれび)」の移転開設、あわせて、商業施設となる「ツルヤ小諸店」の開業など、コンパクトシティの核となる施設等を整備してまいりました。

また、国の指定重要文化財である旧小諸本陣問屋場の解体復原工事に着手したほか、企業版ふるさと納税を活用した農業振興事業、スマートカート「egg」やEVバスの試験運行等によるMaaS事業及び高原ウエルネスリゾート推進事業等に取り組んでまいりました。

このほか、まちタネ広場を活用した「こもろまちたねプロジェクト」や飯綱山公園に県内初となる「Park‐PFI(公募設置管理制度)」による官民連携魅力向上事業の実施、市民の安全・安心確保のためのLINEによる災害情報等の提供、ひきこもり状態の方等と社会とのつながりの足掛かりとなる社会生活支援事業の実施などに取り組んでまいりました。

令和4年度においては、平成28年から検討を重ねてまいりました本市の学校再編についての基本方針を「小諸市学校再編基本構想」としてまとめ、「学校再編計画」の策定に取り組んでまいりました。

また、保育所再編の一環として進めてきた「南城森の保育園」を開設しました。

妊娠・出産・子育てへの切れ目のない支援の充実を目的に「母子健康包括支援センター」及び「子ども家庭総合支援拠点」の連携強化に向けた検討を開始しました。

「動物園のリニューアルオープン」や「新産業団地計画」の本格着手、「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」の開催、「縁JOY!小諸」による交通社会実験として、MaaSアプリ「信州こもろ・こまーす」を使ったスマートカート「egg」やEVバスの運行、市内防犯灯の一斉LED化等に取り組んでまいりました。

 

令和5年度においては、子育て・教育の分野では、「小諸市学校再編計画」を策定し、これからの小諸教育の在り方として、市全体で小中一貫教育に取り組むこと、先行する芦原中学校区の統合小学校は芦原中学校敷地に整備し、令和10年度の開校を目指すこと等を決定しました。

また、こどもと子育て家庭の総合相談支援の窓口となる「子ども家庭総合支援拠点」を設置するとともに、保育所ICTの導入や使用済み紙おむつの持ち帰りを廃止し保育園での処理を開始したほか、保育士の確保など、子育て施策の充実を図ってまいりました。

文化財については、旧小諸本陣問屋場の解体復原工事を進め、令和3年度から実施してきた解体工事が終了しました。また、2ヶ年にわたる本町及び市町地区を中心とする古い町並みの保存活用を目的とした調査が終了し、「伝統的建造物群保存対策調査 報告書」として現在まとめています。

スポーツについては、小諸市エリア高地トレーニング推進協議会を通じて、小諸を訪れるトップアスリートやオリンピアンとこどもたちとの交流事業である「ENJOYランニング教室」を開催し、スポーツの魅力を発信しました。

人権関係については、令和2年度以降、新たに新型コロナウイルス感染症に関わる課題が発生し、本市独自の啓発ポスターを作成しました。また、そのほかの多くの課題においても、様々な手法により、継続して情報発信や啓発に努めてまいりました。

 

環境の分野では、環境省が全国で100箇所を目指している「脱炭素先行地域」に本市が選定されたことにより、これまでのコンパクトシティの取り組みを発展させ、さらなる脱炭素のまちづくりの実現へ向けた取り組みをスタートしました。

また、貴重な動植物を保護する意識を高め、将来の世代に継承することを目的に、「小諸市動植物の保護に関する条例」を制定し、「アサマシジミ」などを保護動植物として指定しました。そのほか、住民同意制や許可制などを盛り込んだ「小諸市太陽光発電施設の適正な設置及び維持管理に関する条例」を施行し、地球環境との調和を図ってまいりました。

 

健康・福祉の分野では、がんとの共生の啓発としての講演会の開催及び、アピアランスケア(外見の変化に対する医療者のケア)として、がん治療に伴う補助制度の導入や不妊治療の保険適用に 対応した新たな補助制度を開始しました。また、「終活に係る業務の支援に関する協定」を締結し、市民向けに就活セミナーを開催しました。そのほか、民生児童委員の組織力の向上や、小諸市児童発達支援センターの更なる機能向上などに取り組みました。

 

産業振興の分野では、世界が注目するウイスキーの「小諸蒸留所」や国内で初のマッシュルームレザー製造拠点が開業した ほか、公共空間を活用した取組みとして、大手門公園にイタリアンレストランの「KOMORO HONJIN OMOYA」、飯綱山公園にはPark-PFIによるレストランとワイナリーの「スタラス小諸」がオープンしました。このほかにも市内では多様な民間投資が進み活気が出てきました。

また、半世紀の歴史を刻んだ小諸ワインは、近年のコンクールで数々の賞を受賞しているマンズワインをはじめ、6箇所を数えるワイナリーは、いずれも高品質なワインを生み出し、プレミアムワインの産地として認知度・注目度がより高まりました。

そして、ブランド力を高めてきた農産物では、小諸産のお米が「新嘗祭献穀米」に選ばれるなど、土づくりや栽培技術の向上とともに、その品質が高く評価されました。

 

生活基盤整備の分野では、多極ネットワーク型コンパクトシティの推進により、利便性が高く居心地の良い開かれた都市づくりを 進めるため、官民共創による「まちたねプロジェクト」をプラットフォームとした小諸駅周辺地域の未来ビジョンの策定を進め、旧小諸本陣周辺の整備へ向けた活用方針を策定しました。また、MaaS交通社会実験「縁JOY!小諸」による情報提供と公共交通を活用した「まち巡りサービス」の提供、「こもろ愛のりくん」のニーズに応じた運行改善など、高齢者等の外出機会の創出につながる利用促進策を実施してきました。

社会インフラの整備については、長寿命化修繕計画に基づき、計画的な修繕や、評価基準に基づいた優先順位のもと通行の安全性の確保に努めてきました。公営住宅については、「小諸市公営住宅等長寿命化変更計画」の見直し更新を進めてきました。

 

協働・行政経営の分野では、業務の効率化による市民サービスの向上と行政経営の効率化を図るため、自治体DXの推進を図るとともに、公共施設マネジメントの推進を図ってきました。また、長期的な視点に立った効率的・効果的な財政運営と、基金や市債に依存した財政構造からの回避を目指し、新たな予算編成手法の試行に取り組みました。

以上、年度ごとの政策分野別に主な事業や取り組みを報告させていただきました。

 

さて、令和6年度は、4月に市長選挙があり、改めて市民の皆様から小諸市の舵取りを負託されたリーダーの市政経営がスタートするとともに、市制施行70周年という大きな節目の年であります。

そして、今、「小諸が元気になってきている。」と多くの声が寄せられているように、この流れを絶やすことなく、より力強く確かなものとしていかなくてはなりません。

小諸市には課題が山積しておりますが、一方では選ばれるまちとして、まだまだ可能性や多くの伸び代があると感じております。

私は、引き続き小諸市が持続可能なまちであり続けるために、そして、輝く小諸の未来のために、誠実に、粘り強く、全力で取り組んでまいります。

それではここで、私が、現時点で思い描く令和6年度の重点施策について、基本構想の政策分野別にその概要を申し上げます。

なお、事業の詳細につきましては、今議会において、「予算(案)及び実施計画の説明」の際にご説明いたします。

 

1 「子育て・教育」

まず、子育て・教育の分野では、「第3期こもろ未来プロジェクト教育編(小諸市教育大綱及び小諸市教育振興基本計画)」を策定いたします。

学校再編については、令和10年度の芦原中学校区の統合小学校の開校を目指し、学校建設、学校運営の検討等の取り組みを着実に進めてまいります。特に、令和6年度から、芦原中学校区再編に関わる基本設計、実施設計に着手してまいります。

また、こどもたち一人ひとりに新たな時代を生き抜くために必要となる資質・能力が育つよう、小諸市全体で小中一貫教育を 推進し、小諸市の教育が目指す「心豊かで自立したこども」を育成するための学校づくりに取り組んでまいります。引き続き、市民をはじめ移住者の皆様にとっても、より魅力的な教育環境づくりに努めてまいります。

小諸市の誇る安全で美味しい「自校給食」の安定的な提供に、引き続き取り組んでまいります。

また、こどもと子育て家庭への総合的な窓口として「こども家庭センター」を設置し、未満児保育ニーズに対応できるよう保育人材の確保に努めるとともに、保育士業務の効率化など保育環境の充実を図ってまいります。特に、保育士の確保については、令和6年度より正規職員の計画的な増員採用(5年間で10人増員)と、会計年度任用職員の大幅な処遇改善を確実に実施するとともに、将来にわたりより良い保育環境が提供できるよう、保育園の再配置計画の策定を進めてまいります。

文化・芸術については、「音楽のまち・こもろ」では、引き続き小中学校の音楽活動を推奨するとともに、これまで実施してきた事業の創意工夫と充実により市民の音楽文化のさらなる発展を 図ってまいります。生涯学習施設については、長寿命化と複合化、多機能化を含めた施設管理計画を策定し、市民や利用団体の皆様が快適に利用できるよう環境整備に取り組みます。

文化財については、旧小諸本陣問屋場の復原工事を進めるとともに、復原後の保存活用計画の策定に取り組んでまいります。また、小諸城址懐古園の県名勝指定及び浅間火山観測所跡の市史跡指定を進めてまいります。旧北国街道沿いの本町及び市町地区を 中心とした歴史的町並みについては、伝統的建造物群保存地区の選定に係る説明会や地区内合意を丁寧に進めてまいります。

スポーツについては、2028年開催予定の国民スポーツ大会盛会へ向け、新たに設置する国民スポーツ大会準備室を中心に地元準備委員会を立ち上げ、長野県や長野県レスリング協会など、関係団体と連携し準備を進めてまいります。また、高地トレーニングについては、引き続き、小諸市エリア高地トレーニング推進協議会と連携し、アスリートとこどもたちのスポーツ交流の推進など、高地トレーニングを切り口にした地域の魅力づくり、市民の健康づくりに取り組んでまいります。

人権関係については、市民アンケートや企業・子育て世代を対象としたアンケートを基に、人権及び男女共同参画に係る次期計画を策定します。また、こども、女性、外国人、性の多様性や同和問題など、様々な人権課題に対し、関係機関等と連携し、家庭、地域、学校、企業等へ向けた教育に重点を置いて啓発に努めてまいります。

2 「環境」

次に、環境の分野では、新たに策定する「第2次ごみ処理基本計画」に基づき、ごみ減量アドバイザーや衛生自治会と連携し、各区での分別指導や広報等による市民への啓発を行い、食品ロス削減や、ごみの分別・再資源化を進め、ごみの排出量削減を図ります。また、不法投棄防止へ向けた市民への啓発や警察などとの連携を図るとともに、プラスチック資源循環促進法への対応について、廃棄物減量・再資源化等推進市民会議などで検討を進めてまいります。

環境保全に関しては、新たに策定する「第3次環境基本計画」に基づき、良好な自然環境及び生活環境を維持してまいります。特に、地球温暖化防止、ゼロカーボンの実現へ向け「小諸市ゼロカーボン戦略推進本部」を中心に、基本協定を締結している企業や各種団体の皆様と連携・協力し、市民への情報提供と啓発を行い、市民の皆様の行動を促進するための助成や、脱炭素先行地域づくり事業を実施してまいります。

下水道事業においては、技術継承体制を確保するとともに官民連携の方法について模索してまいります。

 

3「健康・福祉」

次に、健康・福祉の分野では、新たに策定する第4次小諸市健康づくり計画「げんき小諸21」に基づき、市民の皆様がそれぞれ自分らしい豊かな人生を送れるよう、健診受診や食事・運動・心の健康など、健康に良い習慣の定着を推進してまいります。また、新たに開設する「こども家庭センター」においては、こどもを中心とした一体的な保健福祉が推進できるよう、センター内外の連携をさらに強化するとともに、母子保健事業を通じ、妊娠、出産、子育てまで切れ目ない支援が一層進むよう取り組んでまいります。

現在運用している地域福祉計画・地域福祉活動計画の総括と次期計画の策定を進めるほか、障害者総合支援法及び児童福祉法に基づく適正な福祉サービスの提供や、通所支援等の提供体制を整備するとともに、生活困窮・こどもの貧困、生活保護等の様々な相談に対し、庁内関係部署及び関係機関と連携・協働による支援を強化するなど重層的支援体制の整備を進めてまいります。また、民生児童委員協議会からの提言により、民生児童委員の業務改善と活動支援体制の強化を図ってまいります。

高齢者対策では、引き続き地域包括ケアシステムを推進し、高齢者を支える地域のネットワークの拡充を図ります。また、高齢者福祉センター「こもれび」を拠点として、介護予防事業の推進と併せて各地区で行われる介護予防事業を支援してまいり ます。フレイル(虚弱)の要因である低栄養、口腔機能や運動機能の低下のリスクや生活習慣病がある高齢者を対象に保健指導を充実させることで、疾病の重症化予防、要介護状態となることの予防につなげ、健康寿命の延伸を図ってまいります。

 

 

4 「産業・交流」

次に、産業・交流の分野では、農業振興については、引き続き「KOMORO AGRISHIFT PROJECT」による「小諸ブランド」の強化と、産地規模拡大への取組みを進めるとともに、コロナ禍以降、急激に変化する食と農に対応するため、新たな品目の普及・定着のほか、新たな経営体育成など、中山間地域農業の収益向上に向けた取組みを推進します。

他に先駆けて取組みをはじめた農ライフについては、移住施策との組み合わせで推進し、農地の利用促進と遊休荒廃農地の解消につなげてまいります。

また、ワイン振興については、全国的に高まった認知度をさらに高め、高品質ワインの産地としてその地位を固めるための事業を 展開してまいります。

インフラ面では、ほ場整備地内等の農業用施設の老朽化に対して、単独予算も含め計画的な維持補修を進め、また、大規模な整備や 改修が必要な農道や水路等は、防災減災対策を含め補助事業を活用し推進してまいります。そして、ゼロカーボンの取組みにおいて特に重要な森林整備は、森林環境譲与税や森林づくり県民税などの財源を有効活用し、森林整備実施方針に基づき計画的な整備を進めるとともに、野生鳥獣被害対策を安定的に実施してまいります。

商工業振興については、地元のご理解を得ながら新産業団地整備を着実に進めるとともに、積極的な企業誘致とビジネスの集積に取り組むほか、企業訪問などを通じて市内企業等の動向やニーズを把握し、経済環境の変化も踏まえた的確な支援を行ってまいります。

さらに、商工会議所と連携し起業創業を支援し、経済とまちづくりの担い手を育成してまいります。観光交流面では、歴史遺産や自然環境を活かし、インバウンドも含めた観光誘客に取り組むとともに、開園100周年に向けた動物園再整備第2期整備では、獣舎の建築工事の着手、効果的な誘致イベントの実施や高い成約率を誇る空き家バンクの運営など、移住定住促進の取組みをさらに強化し、人口の社会増の継続を図ってまいります。

 

5 「生活基盤整備」

次に生活基盤整備の分野では、持続可能な公共交通を確保するため、最適な公共交通体系の構築に向けた調査に着手し、「こもろ愛のりくん」の利便性の向上と利用促進を進めるため、運行拡大の試行と二次交通の社会実験に取り組みます。小諸駅周辺の取組みでは、駅前空間の将来デザインをまとめ、社会実験を通じて再整備計画の策定を進めるとともに、旧小諸本陣一帯の文化・観光交流拠点化を進めるため、社会実験を行い具体的な活用案及び公民連携による利用方法の検討を行います。

社会基盤整備においては、長寿命化修繕計画に基づき、舗装改良及び橋梁・トンネルの修繕を実施します。生活道路等の整備については、評価基準に基づいた優先順位により事業を実施するほか、維持補修により生活道路の維持長寿命化と通行の安全性の確保を図ります。また、空き家等の解消を図るため、所有者に対する指導と適正な管理を促す相談会等の支援を行います。老朽化が進む市営住宅については、引き続き集約化に向けて取り組んでまいります。

上水道事業については、給水開始100周年の節目を迎えるため、記念事業や魅力的な広報活動に取り組みます。また、第二期を迎える公民共同企業体株式会社水みらい小諸の業務運営に関する評価基準の見直しと、社会変化に対応した経営戦略の分析と見直しに着手します。

防災等による市民の安全・安心確保のための取り組みについては、災害情報伝達手段として最も重要な防災行政無線システムの長寿命化・高機能化を図るとともに、アナログ放送終了に伴う防災ラジオの代替え手段として導入した小諸市公式LINEの普及促進を図ります。また、交通事故の被害に遭いやすいこどもや高齢者を対象に交通安全教室を開催するなど交通事故防止を図るとともに、小中高生の自転車用のヘルメット購入費の助成事業を促進することにより、ヘルメット着用の推進を図ってまいります。また、消防団と自主防災組織との災害対応訓練の実施により、各区における防災体制及び連携活動を強化し、地域防災力の向上を図ってまいります。

本年1月に発生した「能登半島地震」に対する被災地や被災者支援については、長野県合同災害支援チーム「チームながの」や、各種協会等と連携協力し、最大限の支援に取り組んでまいります。

また、本市で令和6年度開催予定の「長野県総合防災訓練」については、長野県との共催となりますが、見せる訓練ではなく、地域住民や関係機関と連携した住民参加型の訓練を実施することで、より現実的かつ効果的なものとなるよう、地域や関係団体等と検討してまいります。

 

6 「協働・行政経営」

最後に協働・行政経営の分野では、アフターコロナの時代に即した地域コミュニティの活性化を目指し、課題の共有をはじめ、区を越えた共同事業や運営管理体制の構築を、地域の主体性を基本に地域に寄り添った形で進めます。市民活動の活動支援として情報発信に努め、相談窓口の設置や補助事業の実施により市民活動の推進を図ります。また、市民や市民団体、企業や大学・高校等と協働のパートナーとして連携を深める等、行政の役割を積極的に果たしてまいります。

市長マニフェストを反映させた第12次基本計画の策定へ向け、施策の実現性や事業の実効性を確保するため、財政計画を策定し、それに沿った財政規律を遵守できるよう行政マネジメントシステムの運用方法を再構築し、持続可能な自治体であるための 新たな予算編成手法の確立に取り組んでまいります。公共施設マネジメントにおいては、学校再編整備に伴う跡地活用等を含め、住民との合意形成を図りながら、住民サービスに必要な機能の集約化、複合化、多機能化を進めるとともに、施設の総量削減に取り組みます。また、庁内におけるDXの推進により、市民の利便性の向上及び庁内業務の効率化を図ることで、市民サービスの向上を図ります。情報戦略によるシティープロモーションを推進強化し、人口の社会増を図るとともに、自然増へ向けた施策にも積極的に取り組んでまいります。

市税収入をはじめとする自主財源の安定的な確保については、税に対する市民負担の公平性を確保するため、滞納処分の適正な 実施と、ふるさと納税やクラウドファンディングによる寄附金等を有効に活用してまいります。

最後に、人材育成方針の職員への浸透を図るとともに、人事評価システムの適切な運用により、管理職のマネジメント能力や職員のスキルアップ、接客接遇の各種研修を通じ、引き続き職員の意識改革を推進し市民サービスの向上を目指してまいります。

以上、政策分野別に令和6年度における重点施策の一端を述べさせていただきました。

 

現在、県内外から注目を集めている「小諸の勢い」を象徴するように東洋経済新報社発表の「住みよさランキング」も昨年の33位から25位へランクアップしました。

また、令和5年の人口動態においては、転入者数は過去8年間で最多の1,847人で、転出者数等を差し引いた人口の社会増減は、前年を大きく上回る289人の増となり、人口の社会増が続いています。

この結果、昨年中の人口減少は、この8年間で最も少ない98人まで抑制され、この間の取組みが成果として現れております。

一方で、出生者数は206人と、この8年間では最も少ない数値となり、この改善が、本市のまちづくりにおける最大の課題であると認識しているところでございます。

 

今後も「選ばれるまち」を目指していくことはもちろんですが、「自然増による明るい未来」へ向けて、以下5項目について積極的に取り組んでまいります。

一つ目は、一人ひとりが自分らしい生き方や働き方を選択でき、時代とともに変化する若者の考え方やニーズに目を向け、移住者も住みやすいまちとして「若者が幸せに暮らせるまち」を目指してまいります。

二つ目は、地域でできる関りや支援を考え、こどもが自立するまでを一緒に支える地域づくりや、親が安心して子育てができ、こども自身も安心して過ごせる環境の整備を図ります。また、子育ての悩みや不安解消のため専門的な支援だけでなく、相談 ネットワークなど横のつながりを意識した活動や、仕事と子育てを両立できる環境整備を進めるなど「子育てが楽しいまち」を目指してまいります。

三つ目は、医療や福祉、産後ケアの充実を図り、家庭内ジェンダーフリーの啓発や潜在的なDVの根絶を進め、こどもの育ちへの権利擁護など「女性・こどもを尊重し大切にするまち」を目指してまいります。

四つ目は、産前・産後の父親学級活動の充実、父親同士の相談ネットワークなど横のつながりを意識した行動により「男性の家事育児への参画」を推進します。

五つ目は、全世代参加の地域づくりと時代とともに変わる考え方やニーズに対し、継続性のある次世代を見据えた組織づくりを進めるなど「時代の変化へ柔軟に対応」してまいります。

これらを積極的に進めることにより、人口動態における自然増へ果敢に挑戦してまいります。

 

この間、「こもろ未来プロジェクト」を掲げ、「小諸に元気と誇りをとりもどす」をスローガンに、様々な取り組みを進めてまいりました。このことは、何より市民の皆様を始め各団体の皆様や企業の皆様など、関係する皆様の連携とご努力が一つひとつ積み重なったことにより、化学反応が起き、良いスパイラルが生まれた結果、目に見える形で成果が出てきているものと考えております。こうした流れをこれからも継続し、小諸市のさらなる発展につなげていけるよう引き続き全身全霊を捧げてまいります。

今、小諸市は輝きを取り戻しつつあります。そして、今後も発展し続けられると考えております。

「まちづくりの核は人であること」そして、「シビックプライド」を醸成していくことで、小諸のまちは大きく発展していくものと確信しております。

小諸市がさらに大きく飛躍するため、私もその一員として、市民の皆様そして職員の先頭に立ち、市長としての職責を果たしてまいります。そして、これからも「健幸都市こもろ(小諸版ウエルネス・シティ)」を旗印に、市民や小諸を訪れる人が?ウエルビーイング(幸福で肉体的、精神的、社会的に全てに満たされた状態)?となるような小諸を目指し全力で、そして誠心誠意取り組んでまいります。

市民の皆様には、引き続き小諸市政の推進に一層のご理解とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げ、令和6年度の施政方針といたします。

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更新日:2024年02月27日