施政方針

令 和 8年 度

施 政 方 針

小諸市長 小 泉 俊 博

本日、令和8年3月小諸市議会定例会の開会にあたり、私の市政経営に対する所信の一端を申し述べ、市議会並びに市民の皆様の一層のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 

私は、市長就任以来、市民の皆様の期待にお応えすることを第一に、強い使命感と責任感を胸に、一日一日の判断の重みを噛みしめながら、市政経営に全力で取り組んでまいりました。今後も、変化の大きい時代の中にあってこそ、市民の声に真摯に耳を傾け、現場を起点に課題を捉え、確かな成果へとつなげる行政運営を貫き、誰もが豊かで安心して暮らし続けられる小諸の未来を、市民の皆様とともに切り拓いてまいります。

さて、令和7年度を振り返りますと、国内では物価高やエネルギー価格の変動が続き、食料品や生活必需品の値上がりが家計を圧迫するなど、市民生活への影響が長期化しました。加えて、人手不足の深刻化は医療・介護、物流、地域産業、行政サービスの担い手確保にも波及し、暮らしを支える基盤の維持が課題となりました。自然災害面では、各地で地震被害が相次ぎ、猛暑など気候変動の影響も顕在化する中、避難体制や情報伝達、要配慮者支援を含む防災・減災の取組強化が求められました。国外では、ウクライナ情勢や中東情勢の緊迫化等により先行きの不透明感が強まり、資源・物流・為替を通じて国内物価や企業活動に様々な影響が及びました。こうした環境下、生活の安心確保と地域経済の下支えを両立することが重要となった一年でした。

そのような状況下ではありましたが、小諸市では、移住・定住の流れが続き、6年連続での人口の社会増、また、中心市街地では新たな出店や既存施設の利活用が進み、商業地の公示地価が実に33年振りに上昇となる、まちの将来性への期待がうかがえる一年となりました。これらのことを弾みに小諸市が人口減少時代にあっても市内外から選ばれるまちとなることを目指し、これまで以上に力を傾注しようという思いを新たにしたところであります。

それでは、令和7年度に進めてきた事業の中で特徴的なものにつきまして、ご説明申し上げます。

子育て・教育の分野では、令和6年度に策定した「小中一貫教育推進基本方針」及び「小中一貫教育ビジョン」に基づき、「対話と協働による学びの充実」「自治的・創造的な活動の充実」「すべての子どもを包み込む居心地のよい学校づくり」の3つの視点を重点事項として掲げ、市全体で推進するための具体的な取組内容の検討を進めました。芦原新校の開校に向けた施設整備においては、基本設計を完了し、引き続き実施設計に着手しました。

また、組織運営、教育課程、学校行事等の詳細を協議する「小中学校統合準備委員会」を設置し、具体的な学校づくりに向けた専門的な検討を開始しました。

家庭における子育ての負担や不安、孤立感を和らげ、安心して子育てができる環境づくりを、行政と家庭や地域が連携し、社会全体で取り組む体制づくりを目指し、こどもと子育て家庭の総合窓口として設置した「こども家庭センター」では、関係機関との連携を深めながら支援の質を高められるよう取り組みを進めました。児童施設(児童館・児童クラブ)においては、キャッシュレス決済及び入退館システムを新たに導入し、利用者の利便性の向上や職員がこどもと向き合うことを優先できる時間の確保につなげました。さらに、保育園においては、未満児保育ニーズに対応できるよう保育人材の確保に努めてまいりました。

文化財、生涯学習については、小諸の歴史的、文化的なお宝や自然の素晴らしさなどを楽しみながら体験する「ふるさと学習」を市内小中学生対象に積極的に推進し、ふるさとを愛し大切に思う郷土愛溢れた子どもの育成に努めてまいりました。

旧小諸本陣の修理復原工事では、着実に工事を進めるとともに、現在、令和7年度に長野県の名勝に指定された小諸城址懐古園や大手門公園等、観光面とのつながりを深める施策の検討を行っているところです。

スポーツについては、昨年7月に長野県での国民スポーツ大会の2028年開催が正式に決定され、県の準備委員会が実行委員会に改組されたことから、レスリング競技会の舞台となる小諸市においても昨年10月に第 82 回国民スポーツ大会小諸市準備委員会を改組し、その後、信州やまなみ国スポ小諸市実行委員会として、第1回総会を開催しました。昨年12月にはレスリング競技会の会期が決定し、各専門委員会の開催など事業計画に沿った円滑な競技運営のための準備を進めています。

人権関係については、日常における差別をなくすための人権フォーラムを開催し、市民と一緒に人権意識を高めました。

また、ジェンダー平等の実現、仕事と育児の両立、人生の幸福度向上や社会全体の多様性と持続可能性を高めるため、「~男性育休を原動力に~ 組織と人を輝かせる働き方改革プロジェクト」として小諸商工会議所の協力をいただき、市内企業の経営者や人事担当の部課長等を対象にセミナー等を実施しました。

次に環境の分野では、市民、事業者、行政等が一丸となって地球温暖化防止、ゼロカーボンの実現に向け取り組む「脱炭素先行地域づくり事業」の実質2年目として、こもテラス等への太陽光発電設備や公用車のEV化、EV充電設備の整備、小水力発電等に取り組むとともに、市民を対象とした環境教育等を実施してまいりました。

また、無秩序な繁殖を止めるための飼い主のいない猫のクラウドファンディングの実施、計画を超える量を処理している家庭系可燃ごみの減量に向けて、分別意識の向上を図るため「燃やすごみ」から「燃やすしかないごみ」に名称を変更するなど、環境保全にも力を入れてまいりました。

下水道事業については、下水道への理解と関心を高めるとともに、本市への誘客を目的にガンダムマンホールプロジェクトへ応募し、長野県内初となるガンダムデザインマンホール2枚が寄贈され、停車場ガーデン及びあぐりの湯に設置しました。

また、上下水道一体による官民連携手法の導入へ向けた可能性調査業務を実施し、有識者で構成された「あり方検討委員会」より、上下水道一体での事業運営等の提言をいただく中で、「ウォーターPPP導入評価会議」での評価結果を踏まえ、指定管理者制度による運営方法の決定へ向け、検討を進めてまいりました。

次に健康・福祉の分野では、健(検)診を受けてウォーキングをすると直売所利用券・飲食券がもらえ、お楽しみ抽選会にも応募できるという、楽しく健幸になれる「こもろ健幸マイレージ」のアプリ登録促進に積極的に取り組み、登録者数は昨年度末から約200名増加し、目標の1,000人を突破するなど、市民の健康増進を後押ししました。

令和6年12月に国が策定した「認知症施策推進基本計画」において進められている「新しい認知症観」の普及啓発を強化し、認知症の本人の声を聴く講演会や、専門医による認知症講演会の開催、認知症月間に合わせた様々なイベントの開催などを行い、認知症についての理解を深めるための取り組みを重点的に実施しました。

また、いざという時のため、外見からは支援が必要であることが分かりにくい障がい者や意思表示の難しい人に、災害時において避難所等で周囲の人に支援や配慮が必要であることを伝えやすくするため「防災バンダナ」を作成し、配布しました。

次に産業・交流の分野では、令和7年度の単年度において、中心市街地で新たに13店舗が営業を開始するなど、引き続き賑わいが創出されています。

小諸市動物園では、開園100周年に向け、国の新しい地方経済・生活環境創生交付金(第2世代交付金)を活用し、小諸市動物園第二期エリア整備工事を実施し、新たにプレーリードック舎、アルパカ舎、ムササビ・チンチラ舎、ウサギ舎を建設しました。

また、市内への企業誘致を促進するため、新産業団地(小諸インター産業団地)の第1期造成工事に着手しました。

全国的にクマによる被害が災害(級)ともいわれるほど多く発生し、連日全国ニュースのトップで報道される状況が続きましたが、当市では有害鳥獣対策全般にパイオニア的に対策を進めてきた、いわゆる「ガバメントハンター」が大きな注目を集めました。令和7年度の市内のクマの目撃情報・被害が減少した結果から、様々な要因はあるもののクマ対策を含めた有害鳥獣対策の効果によるものと考えられ、市民の安全・安心が図られました。

開館から25年を超える間一度も改定をしてこなかった、小諸市農村資源活用交流施設「あぐりの湯」の利用料について、燃油等物価高騰や人手不足の折、受益者の一部負担により持続的な運営を図るという観点から、ご利用される方にはご負担をいただくこととなりましたが、6月より増額をさせていただきました。

次に生活基盤整備の分野では、社会基盤整備として各長寿命化修繕計画に基づき小原黒(こはらぐろ)第一橋等の橋梁修繕及び幹線道路の舗装改良工事を実施しました。

また、新たに整備する義務教育学校を地域拠点としたまちづくりを進めていくため、立地適正化計画の改定を進めてまいりました。

同時に、持続可能で利便性の高い交通ネットワークを維持・構築していくため、地域公共交通計画の策定を進めてまいりました。

小諸駅周辺では、駅前広場の再整備に向けた社会実験の改善を行ったほか、大手門公園における居心地の良い空間づくりを目指した社会実験に取り組んでまいりました。

上水道事業においては、水質汚染リスクへの未然防止のため、かねてより進めていたクリプトスポリジウム対策として、野馬取水源にスレッド式ろ過機を設置し、水源の安全性の向上を図りました。

防災の分野では、浅間山火山災害の軽減を目的として、本市が多年にわたり火山に関する知識の普及啓発活動を行い、住民及び登山者などの防災意識の高揚に貢献したことが評価され、昨年6月に開催された気象業務150周年記念式典において気象庁長官表彰を受彰しました。

また、令和6年能登半島地震の教訓を踏まえ、多様な主体の連携等による支援体制の強化に向けて、新たに2社・2団体と災害協定を締結しました。

人口減少と若年層の価値観の変化により、消防団員数は全国的に減少の一途を辿っていますが、消防団員の負担軽減と処遇改善を実施し、消防団員の増加に向けた取り組みを行いました。なかでも、消防団事業として新たに実施した「消防団員技能習得検定」は、全国的にも前例のない取り組みで、国の「消防団の力向上モデル事業」に採択され実施しているところです。

最後に協働・行政経営の分野では、コロナ禍で希薄となった地域コミュニティの活性化のため、集落支援員を配置し、各区からの相談を受けるなど、現状把握に取り組み、区長同士の話し合いの場を設け、課題解決に向けて取り組みました。

官民連携では、「人と人を繋ぐ、まちの未来共創プロジェクト」として、おしゃれ田舎プロジェクトによる中心市街地における起業者支援の取り組みが全国的に評価され、一般社団法人プラチナ構想ネットワークが主催する、第13回プラチナ大賞の優秀賞を受賞しました。

公共施設のマネジメントでは、学校再編に伴い閉校となる小学校の跡地利用について小学校ごとのワークショップを開催し、地域の皆さんのご意見、考えをお伺いしました。ワークショップでいただいたご意見や考え、民間事業者のヒアリング等を参考に活用方針案を作成します。

また、貴重な自主財源であり、地域経済の振興にも繋がる「ふるさと納税」につきましては、魅力ある返礼品の掘り起こしや新規開発等の創意工夫により、自主財源の確保に努めているところです。

冒頭にも述べましたが、これまでの間、さまざまな政策・施策が実を結び、令和2年から6年連続での人口の社会増を記録することができました。特に令和7年においては、転入者1,856人のうち、39歳以下が1,366人と、実に73.6%を占めており、若い世代の転入が多い状況となっています。これは、基本計画に基づく6つの政策、それに紐づく施策の実施のみならず、関係する機関や団体、それぞれ活動されている市民の皆さまをはじめとするオール小諸市としての取り組みにより、小諸市が「選ばれるまち」になってきている成果の現れのひとつであると考えています。今の勢いを「一過性」のものとせずに、まちの力として定着させていくことが必要であると強く感じています。令和8年度は、小諸市にとって「勢いを、持続可能な力へと昇華させる年」にすべく、引き続き事業を展開してまいりたいと思います。

それでは、令和8年度の重点施策につきまして、「第5次基本構想・第12次基本計画」の政策分野別にご説明申し上げます。

なお、事業の詳細につきましては、今議会におきまして、「予算(案)及び実施計画の説明」の際にご説明いたします。

 

1 心豊かで自立できる人が育つまち「子育て・教育」

まず、一つ目は、心豊かで自立した人が育つまち「子育て・教育」の分野です。

「小中一貫教育推進基本方針」及び「小中一貫教育ビジョン」に基づき、各小中学校における学校組織、カリキュラム、学校行事の共通化に向けた調整を図ってまいります。あわせて、「小中連携」や「小小連携」による合同行事や交流機会を積極的に創出し、市全体で一体感のある小中一貫教育を推進してまいります。

令和10年度の芦原新校開校に向けた施設整備に関して、設計、工事発注、施工に至る各工程において、進捗管理及び安全管理等のマネジメントを徹底して行います。

また、小中学校統合準備委員会を中心に、新校の具体的な教育環境の検討を進めるとともに、検討状況について保護者や学校関係者、市民への適時適切な周知と理解促進を図ってまいります。

学校部活動の地域クラブ活動への展開に向け、令和7年度に実施した実証事業の成果と課題を精査し、事業内容を再構築します。これに基づき、地域の実情に応じた持続可能な活動体制の構築を推進してまいります。

全てのこどもの育ちを応援し、こどもの良質な成育環境を整備するとともに、全ての子育て家庭への支援を強化するための「こども誰でも通園制度」が令和8年度より本格実施となることから、公立保育園においても、6園中3園において実施をいたします。0歳6か月から満3歳未満で保育所などに通っていないこどもを対象に、保護者の就労要件等を問わず、時間単位で柔軟に利用できる新たな通園制度の運用を通じ、子育て家庭への不安感や孤立感の解消につなげる支援を行ってまいります。

保育士の確保については、昨年度に引き続き、正規職員の計画的な増員採用を図るとともに、将来にわたりより良い保育環境が提供できるよう、保育園の再配置計画の策定を進めてまいります。

文化財、生涯学習については、市民の主体的な「学び」を促進するため、ニーズを捉えた学習機会の創出や、各種施設については、長寿命化と複合化、多機能化など、計画的な施設整備と市民や利用団体の皆様が快適に利用できるよう環境整備に取り組みます。「音楽のまち・こもろ」では、引き続き小中学校の音楽活動を推奨するとともに、これまで実施してきた事業の創意工夫と充実により市民の音楽文化のさらなる発展に努めてまいります。

旧小諸本陣の復原工事では、令和9年度の完成に向け着実に工事を進めるとともに、引き続き観光面とのつながりを深めるなど、積極的な有効活用についての検討を進めてまいります。

また、令和7年度に長野県の名勝に指定された小諸城址懐古園については、恒久的な保存活用に向け、より有利な支援を受けるため、国の名勝指定を目指して取り組んでまいります。

スポーツについては、引き続き多様なスポーツニーズに応じた機会の充実により、市民のスポーツ振興を図ってまいります。特に子どもたちにとっての運動は、生涯スポーツの基礎となり、育ちの一助となります。高地トレーニングで小諸を訪れるアスリートや競技団体と、子どもたち、市民が交流する事業など様々な機会を積極的につくり、スポーツを身近に感じる取り組みを進めてまいります。

スポーツ施設においては、自主財源の確保と施設の魅力向上を図るため、南城公園野球場以来となるネーミングライツを総合体育館、武道館、乙女湖公園運動場に新たに導入します。

また、2028 年に長野県で開催される信州やまなみ国スポでは、小諸を舞台としたレスリング競技会の成功に向けて、長野県や長野県レスリング協会など関係団体と連携を密にしながら着実な準備を進めるとともに、国民スポーツ大会開催に合わせて小諸市総合体育館の長寿命化と大会対応のための改修を進めてまいります。

人権関係については、すべての家庭・職場・地域における社会人権同和教育や学校人権同和教育、各種研修会、啓発活動を計画的かつ積極的に推進し、子ども、女性、外国人、性の多様性、同和問題、インターネット上の人権侵害など、あらゆる人権問題に対する正しい理解と認識を高め、市民の人権尊重意識の高揚を図ります。

また、男女共同参画及びジェンダー平等社会の実現を目指し、令和7年度に引き続き、小諸商工会議所の協力をいただきながら「~男性育休を原動力に~ 組織と人を輝かせる働き方改革プロジェクト」を実施してまいります。

 

2 自然環境を守り、循環型社会の進んだまち「環境」

二つ目は、自然環境を守り、循環型社会の進んだまち「環境」の分野です。

小諸市の豊かな自然環境は、先人たちが日々の暮らしの中で、深く関わり、守り育ててきたものであり、この貴重な財産を健全な形で未来につなげることが、現代を生きる私たちの使命です。今の暮らし方を見つめ直し、森林・水資源の保全、ごみの減量化・再資源化等を進めることにより、将来にわたり持続可能な循環型社会の形成を図ります。

また、地球温暖化防止に努め、自然環境にやさしいまちづくりを進めます。そのために、市民、事業者、行政が環境に対する意識をさらに高め、それぞれの役割と責任を意識し、省エネルギーの徹底や環境、景観、地域との調和を図りながら、再生可能エネルギーの活用を推進し、温室効果ガスの削減に取り組みます。そして、市民の自発的、主体的な行動を促進するための助成や、脱炭素先行地域づくり事業を実施してまいります。さらに、地域との合意が形成され、自然環境と調和した再生可能エネルギーの普及を図るため「太陽光発電施設の適正な設置及び維持管理に関する条例」を厳格に運用します。

「第3次環境基本計画」及び「第2次ごみ処理基本計画」に基づき、良好な自然環境及び生活環境を維持、保全してまいります。特に、地球温暖化防止、ゼロカーボンの実現へ向け「小諸市ゼロカーボン戦略推進本部」を中心に、基本協定を締結している企業や各種団体の皆様と連携協力しながら、市民への情報提供と啓発を進めます。

また、「動植物の保護に関する条例」を適切に運用すること等で市民意識の高揚を図り、本市の豊かな自然環境の保全を図るとともに、プラスチック資源循環促進法に基づくプラスチック製品の分別・リサイクルについて前向きに検討してまいります。

下水道事業では、排水処理施設の整備・共同化計画の見直しにより、将来の施設構成を形作るとともに、「経営戦略」において、第2期「ストックマネジメント計画」を連携させ、より適正な受益者負担のあり方を検討してまいります。

 

3 一人ひとりが健康に心がけ、みんなで支え合うまち「健康・福祉」

三つ目は、一人ひとりが健康に心がけ、みんなで支え合うまち「健康・福祉」の分野です。

市民の誰もが命を大切にし、命が大切にされるとともに、子どもから高齢者まで全ての市民一人ひとりが健康に心がけ、生きがいを持ち、みんなで支え合いながら活躍できるような地域社会を創ってまいります。

第4次小諸市健康づくり計画「げんき小諸21」に基づき、関係組織や協力団体と連携しながら、食育や健診受診、こもろ健幸マイレージへの参加等、健康に良い生活習慣の定着を推進してまいります。

また、悩みや困難を抱えた時に助けを求めることができ、一人ひとりの命が大切にされるまちを目指し、ゲートキーパーの養成や、がんとの共生事業にも、引き続き力を入れてまいります。

地域医療体制の維持に向けては、医療の適正利用への啓発を行うとともに、小諸市内のみならず、佐久地域における救急医療をはじめとする医療資源に対し、必要な支援を行います。

母子保健事業を通じて全ての妊産婦、乳幼児等へ関わり、必要な家庭にしっかり支援が届くよう「こども家庭センター」において、母子保健と児童福祉の連携を一層強化し、妊娠から出産、子育てまで、切れ目ない支援につなげてまいります。

とりわけ令和8年度は、産後ケアにおいて、従来の「宿泊型」に加え、「通所型」「訪問型」の実施によりさらなる拡充を図るほか、「人口の自然増への挑戦」として、新たに自然妊娠率の向上、不妊治療へのステップアップ支援に向けた取り組みを始めております。

誰もが生きがいを持って自分らしく暮らせるために、「お互いさま」の心で支え合う仕組みがつくれるよう、地域福祉計画・地域福祉活動計画に沿って地域福祉施策を推進するほか、障害者総合支援法及び児童福祉法に基づく福祉サービスの提供や、通所支援等の提供体制の整備を進めてまいります。

生活困窮・子どもの貧困、生活保護等の様々な相談に対し、庁内関係部署及び関係機関が連携と協調による支援を強化するなど、包括的・重層的支援体制の整備を進めます。

また、障がいのある人もない人も、すべての人が共に支え合い、住み慣れた地域で自分らしく安心して暮らしていくことができるまちを目指し、次期の障がい者プラン、障害福祉計画・障害児福祉計画策定を進めます。

高齢者人口が増え続ける2040年に向け、令和9年度からの3か年計画「高齢者福祉計画・介護保険事業計画」を策定します。

要介護認定率が長年にわたり、国・県と比較し、低く抑えられている本市の状況を今後も維持できるよう、高齢者福祉センター「こもれび」を拠点とした介護予防事業の開催、各区の高齢者の通いの場の開催の継続に向けた支援、フレイル(虚弱)の要因である低栄養・口腔機能や運動機能の低下のリスクや生活習慣病がある高齢者を対象に保健指導を充実させることで、疾病の重症化予防、要介護状態となることの予防につなげるなど、さまざまな取り組みにより健康寿命の延伸を図ってまいります。

また、増え続ける身寄りのない高齢者が抱える様々な生活課題への対応について、支援体制の充実に向けた取り組みを推進します。

 

4 地域の宝、地域の資源を有効活用し、活気ある豊かなまち「産業・交流」

四つ目は、地域の宝、地域の資源を有効活用し、活気ある豊かなまち「産業・交流」の分野です。

豊かな暮らしの創出と、持続可能な地域を構築するため、「稼ぐ力をもったまち」を目指した戦略的な産業振興策と移住・定住促進策を展開し、働きやすさと住みよさ、暮らして楽しい、訪れて楽しい、魅力あるまちづくりを進めます。

農業振興では、持続的な農業経営や農地の維持のために、農家所得向上とともに生産性向上に向けて農地の利用集積や基盤整備を進め、優良農地の確保、継承を図ります。特に所得向上に直結するブランド化については、豊かで良質な「食」による推進を継続して進めるとともに、イベントの拡大等で地域の飲食店との連携を強め質の高い農産物や加工品を通じて裾野の広い産業発展に努めてまいります。

優良農地においては、良好な状態で次の担い手に引き継ぐため、ほ場整備エリア内の農業用施設の維持補修を引き続き進めるとともに、大規模な整備や改修が必要な農道や水路等は、防災減災対策を含め補助事業を有効に活用しながら事業推進を継続します。

本年は、農業委員・農地利用最適化推進委員が改選となりますので、新たな委員との意見交換等により関係団体が一体となった農業振興を図ります。

森林整備では、森林環境譲与税や森林づくり県民税などの財源を有効活用して活用型の森林整備の取り組みを開始します。有害鳥獣対策については、クマ等の緊急銃猟対応や農作物被害対応の専門的対応が継続できるよう体制の整備を図ります。

商工業振興は、引き続き地域の強みを活かした、積極的な企業誘致に取り組むほか、既存企業・事業者の支援も強化します。さらに、新産業団地(小諸インター産業団地)の造成工事を着実に進めるとともに、商工会議所との連携を深め、起業・創業への支援を強化することで、市内への投資促進はもとより、経済やまちづくりの担い手の誘致・育成に取り組んでまいります。

また、子育てがしやすい働き方ができるまちを目指し、地域産業の大きな課題となった人材確保への支援も積極的に進めます。

観光交流面では、こもろ観光局と連携し、地域が持つ小諸市でしか味わえない魅力的な観光を効果的に伝え、ブランド力を活かした情報発信を進め観光誘客を図るとともに、地域資源の活用による新たな観光素材の掘り起こし等観光地域づくりを進めます。そして夏に開催される、信州デスティネーションキャンペーンのプレキャンペーンにJRグループや長野県、地域事業者と連携して参画し、国内はもとより国外からの誘客と交流人口の増加に取り組みます。

第二期再整備が完了する動物園は、動物も人も楽しく快適に過ごせる魅力ある動物園として、令和8年4月にリニューアルオープンいたします。また、同月に迎える開園100周年については、1年を通して記念イベントを開催し、市民と共に祝いたいと思います。

移住・定住促進は、地域産業の人材確保や小諸市独自の取り組みなど、年々変化する移住ニーズを的確にとらえた事業展開を進めるとともに、誘致活動や体験事業等のイベントの実施、空き家バンクの運営などは、引き続き民間ノウハウを取り入れて取り組み、人口の社会増につなげてまいります。

 

5 安心して快適に暮らせるまち「生活基盤整備」

五つ目は、安心して快適に暮らせるまち「生活基盤整備」の分野です。

多極ネットワーク型コンパクトシティを推進し、街中に都市機能を集約することで、高齢化社会にあっても一度の外出で用事が足りる利便性の高いまちづくりを進めます。

また、市域全体で公共交通の利便性を高め、誰もが住み慣れた地域で安心して快適に暮らせるまちを目指してまいります。

デマンド型相乗りタクシー「こもろ愛のりくん」は、利便性と効率性の両立をめざし、引き続き運行改善に取り組みます。そして、鉄道・バス等の幹線交通の維持のための支援を行い、持続可能な交通ネットワークシステムの構築を推進してまいります。

小諸駅周辺の取り組みでは、社会実験を通じて駅前広場の再整備計画の策定を進めるとともに、旧小諸本陣一帯の文化・観光交流拠点化を公民協創により進めます。そして、居心地の良い、開かれた新しい都市づくりを進めるため、景観の形成、公園や文化施設、駅施設など公共空間の活用を包括的に推進してまいります。

また、公園施設長寿命化計画に沿った改修事業を推進するとともに公園施設の適正な管理に努めてまいります。

社会基盤整備においては、各長寿命化修繕計画に基づき、舗装改良及び橋梁の修繕を実施するとともに、生活道路等の整備については、評価基準による優先順位に基づき事業を実施してまいります。

また、適切な維持補修により生活道路の長寿命化と通行の安全性確保を図ってまいります。

老朽化が進む市営住宅については、小諸市公営住宅等長寿命化変更計画に基づき集約化を進め、用途廃止となった中松井団地の建物除却を開始するとともに、必要な修繕等の実施など適正な維持管理に努めてまいります。

上水道事業では、中長期的な経営の方向性を示す水道ビジョンの改定と経営戦略の策定を進め、坂の上配水池の更新事業化に向けた検討に着手します。

また、令和9年度の上下水道一体での官民連携ウォーターPPPの導入へ向け、経営基盤の強化を図るとともに、将来にわたって持続可能な事業運営を目指すため、庁内の組織機構を見直した上で、本格的に推進してまいります。

防災に関しては、あらゆる災害を想定した訓練と準備を断続的に実施することで「災害に強いまちづくり」を進め、市民の安全・安心な暮らしを守ります。災害への備えとして「自助・共助」の啓発に積極的に取り組むとともに、全ての区において機能的、機動的な自主防災組織が設立されるよう働き掛け、地域防災力を向上させます。

また、消防団と自主防災組織の連携による災害対応訓練の実施により、地域における防災体制を強化します。災害伝達手段を可能な限り重層化することで、誰もが情報を受け取り、いざという時に自らの判断で行動できるなど、個々の住民の防災力が高いまちを目指します。

 

6 すべての主体が参加し、協働するまちづくり「協働・行政経営」

最後、六つ目は、すべての主体が参加し、協働するまちづくり「協働・行政経営」の分野です。

小諸市自治基本条例に謳う「市民一人ひとりが自治の主体であることを自覚するとともに、自らの意思と責任において主体的に行動し、互いに暮らしやすい地域社会を協働で創ること」の重要性に対する理解を深め、各主体の自発的で主体的な活動を活発にします。

コロナ禍において希薄化した地域コミュニティについては、時代に即した地域コミュニティの活性化を目指し、集落支援員を中心に課題の共有をはじめ、区を越えた共同事業や運営管理体制の構築を、地域の主体性を大切にしながら、地域に寄り添った形で推進します。

また、市民や市民団体、企業や大学・高校等と連携を深めるなど、引き続き協働のパートナーとして行政も、その役割を積極的に果たしてまいります。

現在運用中の第5次基本構想については、令和9年度末をもって計画期間の満了を迎えるため、第5次基本構想の総括・評価を行うとともに、第6次基本構想の策定に向け、取り組みを進めます。

戦略的で効率的・効果的な行政経営を推進するため、基本計画を基軸とした「行政マネジメントシステム」の継続的な改善と適切な運用を図るとともに、恒常的な事業の見直しと併せて財政計画及び公共施設マネジメントを包含したものとして再構築します。

公共施設マネジメントにおいては、学校再編整備に伴う跡地活用等を含め、住民とのコミュニケーションと合意形成を図ることを基本に、住民サービスに必要な機能の集約化、複合化、多機能化を進めるとともに、遊休施設については、民間企業等への譲渡も含め検討を進め、公共施設の総量削減に取り組みます。

健全な財政運営には歳出のコントロールは欠かせません。多額の経費を要する大型事業が進んでいますので、事業の進捗状況の把握、財源の確保を確実に行い、学校建設準備基金等必要な基金へ計画的な積立てを行うとともに、全ての事業において効率性・効果を見極めながら事業の見直しを行ってまいります。

また、歳出の削減だけではなく、市税をはじめ、ふるさと納税やクラウドファンディングによる寄附金等の自主財源の確保など、歳入を増やすためのアプローチにも積極的に取り組みます。

DXの推進に関しましては、市民の利便性の向上及び庁内業務の効率化を推進し、さらなる市民サービスの向上を図ります。

多様な媒体を組み合わせた情報戦略によりシティプロモーションを一層推進し、本市の魅力を的確に伝える戦略的かつ効果的な発信に努めます。あわせて、交流人口・関係人口の拡大を入口として移住・定住の流れを強め、人口の社会増の確保に取り組むとともに、将来の人口構造の改善を通じて自然増につながる基盤づくりを進めます。さらに、市役所が真に「市民の役に立つ所」となるよう、職員の意識と行動を市民目線へと磨き続け、市民満足度の向上を図ります。人材育成基本方針の徹底と人事評価の適正運用により、マネジメント力を備え、社会的つながりを大切にし、自律して挑戦できる職員の育成を進めます。

以上、政策分野別に令和8年度における重点施策の一端を述べさせていただきました。

 

本市はこれまで、各分野の施策を積み重ねるとともに、市民の皆様、事業者・団体の皆様、関係機関の皆様のご理解とご協力に支えられ、まちの魅力と可能性が内外から認識される場面が増えてまいりました。こうした手応えは、決して行政だけの力によるものではなく、日々の暮らしの中で小諸を磨き、支え、育ててくださる皆様の営みの積み重ねが形となって表れているものと受け止めております。

一方で、人口減少、少子化、担い手不足、物価高や気候変動に伴う災害リスクの高まりなど、私たちの足元には、待ったなしの課題が重なっています。とりわけ、次代を担う子どもたちの育ちと、若い世代が安心して働き、住み続け、子育てを選択できる環境づくりは、本市の将来を左右する最重要課題であります。

私は、任期の節目を迎えるにあたり、改めて小諸市が「選ばれるまち」であり続けること、そしてその先にある人口構造の転換、人口の自然増へ挑戦することを、市政運営の中心に据えてまいります。

その実現には、行政の努力だけでは足りません。議会をはじめ、市民の皆様、地域の各団体、企業の皆様など、多様な主体の参加と協働によってこそ、前進できると確信しております。

「まちづくりの核は人である」という原点に立ち返り、互いに支え合うつながりを育み、シビックプライドを高めながら、課題に正面から向き合い、挑戦を成果へと結び付けてまいります。令和8年度も「小諸版ウエルネスシティ~第2章~」を旗印に、市民一人ひとりのウエルビーイングの実現に向け、私自身が先頭に立ち、誠心誠意、力の限りを尽くして市政運営に取り組んでまいります。

市民の皆様には、引き続き小諸市政の推進に一層のご理解とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げ、令和8年度の施政方針といたします。

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更新日:2026年02月27日