令和6年度小山敬三美術館後期企画展「コレクション展」小山敬三作品保有会から

激動の時代に小山敬三の画業を支えた人たちがいた

洋画家小山敬三がフランスで絵の修業を終えて帰国した翌年の1929年に、帯仏中にお世話になった神戸の西村旅館館主の西村貫一氏が訪ねてきて「小山敬三作品保有会」の構想を持ちかけました。この会は西村氏の友人の財界人ら12人が小山の作品を買い上げる代わりに、他者には売らないというものでした。

小山の実家は当時製糸会社を経営していた資産家で、小山も支援を受けていましたが折からの世界恐慌の影響を受けて事業の先行きが見通せない中で、小山にとってこの提案はありがたいものでした。

この会は約8年間続き、小山は会の支援を受けながら各地を旅行して制作を続けることができ、1937から1938年にはマリー・ルイーズ夫人を伴ってフランスを再訪することもできました。

この保有会時代の作品は二科展などの公展や保有会主催の展覧会で展示されました。また会では保有作品の画集が編集され、1936から1942年までに4巻を出版しています。現在これらの画集は小山敬三美術館に収蔵されています。

保有会時代の作品は個人の所有になったため一般の目に触れる機会が少なく、戦災で失われたものもあったようですが、その中の何点かは戦後ご寄附などにより美術館の所蔵になりました。

今回の企画展ではこの「小山敬三作品保有会」に関わる作品を、画集資料とあわせてご覧いただきます。

小山敬三作志摩の海女

小山敬三作[志摩の海女]

小山敬三作品保有会画集NO.1より
1936年ごろ
200号油彩カンバス

令和6年12月10日(火曜)から令和7年3月31日(月曜)

【休館日】12月から3月12日までの水曜日 および 年末年始(12月29日から1月3日)
【開館時間】12月から3月は9時から16時

代表作も常設展示中

この記事に関するお問い合わせ先

小山敬三美術館

〒384-0804
長野県小諸市丁221番3(懐古園内)
電話:0267-22-3428 ファックス:0267-22-3428
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更新日:2024年12月19日