令和の大改修-旧小諸本陣保存修理工事-

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◆小諸と旧小諸本陣

小諸は江戸時代の城下町が基盤となり発展してきたまちです。当時、小諸の城下町には北国街道が通り宿場がおかれていました。その宿場において最も重要であった施設が、荷物(特に公用のもの)の輸送にかかる業務などを執り行った問屋場といわれる建物です。

「旧小諸本陣」(特に1階部分)は問屋場として使われた建物であり、敷地内には参勤交代の大名などが休泊した本陣の正座敷もありました。

「旧小諸本陣」は、小諸のまちがどのように形づくられ発展してきたのか、その歴史を検証することができる大切な文化財です。

 

 

◆旧小諸本陣とその周辺

見て・聞いて・考える ~旧小諸本陣の大修理と活用、周辺地区の文化・観光交流の拠点化~ ※ご来場ありがとうございました

オープンハウスチラシ

国重要文化財「旧小諸本陣」は北国街道小諸宿・市町で本陣役を任されていた上田家の建物で、令和9年度の修理復原を目指し、解体工事を行いながら調査作業を進めてきました。

また、本事業を契機に、「旧小諸本陣」から「小諸城大手門」「小諸城三之門」の近在する三つの重要文化財を結び小諸駅に至る地区の「文化・観光交流」の拠点化を目指すべく、実行計画をまとめているところです。

この度、旧小諸本陣の調査にまつわる資料、そして文化・観光交流の拠点化の考え方を見ていただき、説明を聞いていただきながら、旧小諸本陣の活用そして文化・観光交流の拠点化の進め方をともに考えていただく機会を設けました。

※11月4日5日で開催しました。多数のご来場ありがとうございました。

今後しばらくは市立小諸図書館にて、使用した展示と活用に向けたアンケートを設置しております。当日来られなかった皆様も、旧小諸本陣の活用についてご意見をお聞かせください。

 

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◆保存修理の意義

文化財は国民共有の財産です。また、今生きている私たちだけの財産ではなく、これから生まれてくる世代の財産でもあります。

しかし、旧小諸本陣は老朽化が著しく、今にも倒壊して消失してしまう恐れがありました。

地域社会の大切な資産である文化財を、私たちの代で損壊させてしまうわけにはいきません。小諸市は先人から受け継いだものを次世代へとつなぐ責務を果たすため、令和3年より旧小諸本陣の保存修理工事に着手しました。

 

◆完了までの工程

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解体工事の過程で、建物の構造のみならず地域の歴史などについても調査を実施します。一連の調査は地域学の発展にも寄与します。

効率的に作業を行うため、建物を持ち上げて後退させる「揚屋工事」や「曳家工事」を行う予定です。建造物の修復にかかる高度な技術に触れる機会がありますので、都度、情報をお届けします。

完成後は地域学習資料や観光資源として活用を図ります。効果的な活用がなされるよう、工事の段階から関係諸機関や地域の皆様と情報を共有し、連携していきます。

 

 

 

区切り

 

◆旧小諸本陣に関する史料を探しています

旧小諸本陣に関する史料の所在調査を実施しています。建物の昔の姿を伝える絵図や写真、古文書などをご存じの方は、文化財・生涯学習課にお知らせください。

 

 

 

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◆工事の風景

 

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解体工事現場外観

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問屋場室内解体中

 

まずは、近現代の改造部分を取り外していきます。

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2階内部造作解体状況

撮影日:2021年10月6日

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1階内部造作解体状況

撮影日:2021年10月1日

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藥医門屋根の瓦と葺土をはずした様子

撮影日:2022年1月18日

 

 

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藥医門屋根垂木解体作業

撮影日:2022年2月1日

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薬医門垂木解体完了

撮影日:2022年2月1日

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薬医門小屋組み解体

撮影日:2022年2月2日

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造作解体中に見つかった古文書

撮影日:2022年2月28日

 

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1階西側土壁下の小舞

撮影日:2022年3月11日

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1階床板下の根太確認

撮影日:2022年5月19日

材の多くはどこかの部材が転用されていました。

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1期工事終了後の2階内部と天井梁

撮影日:2022年6月23日

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下屋解体作業

撮影日:2022年8月8日

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旧小諸本陣問屋場裏の発掘調査

撮影日:2022年8月12日

 

問屋場背面に残る不自然な部材のカット痕や絵図から、問屋場と大名が休泊する本陣座敷棟を繋ぐ建物の存在が想定されました。これを立証するため発掘調査を実施したところ、1間間隔で並ぶ建物の礎石を確認しました。

連結建物の存在が証明できる可能性が出てきました

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発掘調査で発見された礎石

撮影日:2022年8月12日

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骨組みだけとなった旧小諸本陣

撮影日:2022年8月24日

曳家の様子

曳家工事

撮影日:2022年9月26日

 

9月21日、9月26日、解体工事を進めるにあたって、建物全体を覆う素屋根を建設するスペースを確保するため、建物をそのままの形で北へ4m、西へ1.5m移動させる曳家工事を行いました。

曳家の様子はタイムラプス技術を用いて記録しており、下のリンクからYouTube小諸市公式チャンネルでご覧いただけます。

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素屋根建設工事

撮影日:2022年10月27日

 

無事、曳家が終了しました。

屋根瓦や2階外壁の取り外し作業等を行うため、建造物の周りに足場を組み、素屋根をかけていきます。

なかなか圧巻です。

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素屋根完成

撮影日:2022年11月9日

 

これにより、工事だけでなく内部見学も安全に実施することが可能になりました。

 

主屋 桟瓦取外し

主屋 桟瓦平葺解体

撮影日:2022年12月8日

看板小屋根 銅板葺き 解体

看板用小屋根銅板葺解体

撮影日:2023年1月26日

主屋 小屋組み 取外し

主屋 小屋組み解体

撮影日:2023年2月9日

旧小諸本陣修理現場見学会

旧小諸本陣修理現場見学会

撮影日:2023年3月26日

 

令和5年3月26日に本町・市町のまち歩きイベントと合わせて旧小諸本陣修理現場の見学会を開催しました。

たくさんのご参加ありがとうございました。

 

襖紙文書

発見された襖紙文書

撮影日:2023年7月

旧小諸本陣修理現場見学会 史料解説

旧小諸本陣修理現場見学会

撮影日:2023年8月26日

 

令和5年8月26日に旧小諸本陣修理現場の見学会を開催しました。

解体工事中の建物のほか、工事で見つかった資料についても限定公開しました。

たくさんのご参加ありがとうございました。

この記事に関するお問い合わせ先

教育委員会 文化財・生涯学習課

〒384-8501
長野県小諸市相生町3丁目3番3号
電話:0267-22-1700 ファックス:0267-23-8857
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更新日:2023年11月10日