薬師寺十一面観音

やくしじじゅういちめんかんのん 薬師寺十一面観音

指定項目

木造十一面観音立像

所在地

小諸市滝原字下孫藤243

所有者及び管理者

成就寺

指定年月日

昭和56年5月6日(市重要有形文化財)

指定番号 1-4

概説

十一面観音立像で頂上仏(阿弥陀)、化仏(菩薩、瞋怒、狗牙、大笑)の十一面あるべきであるが、これらの化仏と宝瓶は欠失している。

両側に垂れる天衣は中間に渦巻があり美しい。

総長73センチ、桜材の一木造りで造像は鎌倉時代の特徴が見られる。

台座・光背は後補でこれも後補と思われる厨子に納められている。

小諸市内に残る木彫仏像としては古いもので、他に本尊の木造薬師如来立像(室町時代作)も保存されている。

この仏像を蔵する清滝院薬師寺は、江戸時代最末期の嘉永2年(1849年)に建築されたといわれ、塔の峯の遍照寺の焼失によりその一堂を移築したと伝承されている。この地と諸の説があり、定かでない。

十一面観音立像:十種類の現世利益と四種類の来世の果報をもたらすとされる。変化観音の中で最も早く成立したと考えられる。頭上に九あるいは十の変化面、髻頂に仏面一を表し、頭上面のみで十一面、あるいは本面と合わせて十一面となる。変化面は正面の二(あるいは三面)は慈非相、左側三面は瞋怒相、右側三面は狗上出相、後頭部の一面は大笑相とする。腕の本数は二臂(うで、ひじのこと)、四臂、六臂があるが、二臂像が多い。持物は蓮華や水瓶、蓮華を挿した澡瓶、瓔珞、数珠などのほか錫杖を取るものもある。

化仏

仮の姿をとって現れた仏。

天衣

菩薩像・天部像がつけている薄物の長い布。

錫杖

僧・修験者が持ち歩く杖。杖の頭に鐶が掛けてあり、杖を突くと鳴る。

薬師寺十一面観音の写真
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更新日:2019年03月28日