塩川家住宅主屋
種別 | 国登録有形文化財(建築物) |
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員数 | 1棟 |
答申年月日 |
平成26年7月18日 |
登録年月日 |
平成26年12月19日 |
告示年月日 |
平成26年12月19日 |
構造及び形式 |
木造2階建、瓦葺、1階床面積290.66平米 |
所在地 |
小諸市大字森山700番地 |
登録基準 |
国土の歴史的景観に寄与しているもの |
小諸市森山の集落の南、広大な敷地の一角に登録有形文化財、塩川家住宅主屋がある。
塩川家は大地主にして、江戸時代には小諸藩の御用達として藩財政を支えた家であった。それを象徴するが如く、越屋根が付いた入母屋造り木造二階建て瓦葺きの重厚で風格を備えた建物で、随所に職人たちの洗練された技術と粋な遊び心が窺える。
建設年は明治27年頃と思われる。塩川家には家相を見るために作成された建設当初の建物平面図と配置図が残されており、ここに「明治27年10月28日整」と記述があることから、これにより建設年が推測される。
建物1階は主に水回りと土間、それに繋がる寄り付きとお茶の間、中の間、奥座敷により構成される。奥座敷は他の部屋とは異なり書院造りで、長押を設け、手の込んだ菱万字文の組子欄間を飾り、床の間の両脇に違い棚を設けている。奥座敷西側には入側廊下と縁側が付随し、建具を開けると奥座敷専用の見事な庭園が目に飛び込んでくる。
2階には当主達のプライベート部分と使用人室、物置がある。当主の部屋には、お茶の間を覗く小さな小窓が3ヶ所設置されているが、この窓は鉄砲を放つための窓とされ、かつて泥棒が侵入した時、実際に使用されたとも伝わる。
建材は地物の赤松を使用しており、太いところで2尺3寸~4寸を測るが、これだけの材料を地元にて調達出来た塩川家の財力が推し量れよう。
建物の老朽により、屋根の葺き替えと水回り、土間の改修及び奥座敷を除く外部開口部のサッシ交換が行われているものの、建設された当時の様式を良く残しており、明治期における大地主が生活した住宅の佇まいを今に伝えている。
森山の旧道沿いにたたずむ塩川家住宅主屋(北西側より撮影)
奥座敷から庭園を望む
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更新日:2019年03月28日