大塚魚店旧店舗兼主屋

大塚魚店旧店舗兼主屋の概要
種別 国登録有形文化財(建築物)
員数 1棟
答申年月日 平成22年3月19日
登録年月日 平成22年4月28日
告示年月日 平成22年5月20日
構造及び形式 木造二階建、瓦葺、1階床面積224平米
所在地 小諸市本町2-70
登録基準 国土の歴史的景観に寄与しているもの

旧北国街道小諸宿にある、江戸後期建築と推定される建物で、母屋の一部は海産物問屋を営んでいた昭和の時代に改築され鉄筋コンクリート造となっている。

建物の建築年代については詳らかでないが、本町区は寛保二年(1742年)の「戌の満水」の災害に遭っていることからそれ以降と考えられる。また、神棚には天保九年(1838年)・弘化二年(1845年)の祈祷札が残されていることから、少なくとも上限はこの時代に遡るものと思われる。

明治時代に入り、明治26年発行の「長野県北佐久郡小諸町一覧表」には前所有者の小山田半五郎の名や店舗が掲載され、30年代に入り大塚家の所有となっている。小山田半五郎の時代には、表構が左右に分かれていたと思われる。

客間は明治後期に改装され、床框は漆塗りで仕上げてあり、中庭に面したガラス戸は、ガラスが歪んでいて、製造技術が稚拙だった頃のガラスがそのまま用いられている。また、ガラス戸下部には、意匠面、実用面で工夫をこらした空気抜けが設けられている。

母屋茶の間天井には、当地域に特徴的な明かり取り(天窓)が設けられている。

大正時代には、関東大震災の惨状に危機を感じて考案された地元の浅間火山灰を使った浅間軽量混凝土で作られた塀や、魚をさばいた生ゴミから発生した可燃性瓦斯利用設備を設置している。

昭和24年(1949年)には、タイル張りの冷凍冷蔵庫を設け、手広く海産物問屋を営んでいた一端をうかがうことができる。さらに、昭和30年代には道路拡幅に伴い、現在の軒先となった。

平成18年には、修理修景事業にて表構えを直し、以前の形(明治~大正時代の格子戸)に修復・復元を行っている。

このように江戸・明治・大正・平成と歴史の重層性を垣間見ることができる。

写真

現況の外観写真

(現況)

袴を着た人々が整列し大正10年4月3日撮影された写真

(大正10年4月3日撮影)

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更新日:2019年03月28日