萬屋骨董店店舗兼主屋(旧小諸銀行)

種別

国登録有形文化財(建築物)

員数

1棟

答申年月日

平成19年6月15日

登録年月日

平成19年10月2日

告示年月日

平成19年10月22日

構造及び形式

木造三階建、瓦葺、1階床面積116平米

所在地

小諸市本町3-36

登録基準

再現することが容易でないもの

 この建物は旧小諸銀行の社屋である。

 小諸銀行は明治14年設立。当初は隣の住宅が使われ営業していたが、まもなくこの建物が着工され、明治10年代後半に竣工したとされている。北国街道小諸宿・本町通りほぼ中央に位置するこの建物は、当時の小諸商人の心意気と繁栄を偲ばせる貴重な歴史的遺産と言えるであろう。

 木造3階建の3階は白漆喰塗、それ以外は黒漆喰塗で両側に地上からの「袖うだつ」があり、1及び2階の窓部には8分丸の飾格子が付けられていたことが当時の写真にあるが、残念のことにこの飾格子は戦時中の金属供出で現存しない。その面影を残すため当時に良く似たものを2階の窓に取り付けた。また破風、垂木などは黒漆喰で塗り込み、曲線を多用し重厚な仕上がりであり、当時の左官職人の誇りを掛けた技術に感銘するものである。

 内部は下部尺角の大黒柱を中心に幅5.5寸成尺1寸の梁が5間の間に架けられ、上部の重量を支えている。2階は当初、頭取室として使われ、壁紙・襖紙は輸入品の総麿草模様である。部屋の中央にはシャンデリアがあり、その受け天井部分は漆喰の鏝絵細工の牡丹模様が見事に浮き出されている。識者によると、このような良いものは信州では他に見かけないとのことである。

 当時の「銀行」としての火災・犯罪から守る「信頼」「権威」の表現が感じられる。

現在の萬屋骨董店店舗兼主屋(旧小諸銀行)の写真
旧小諸銀行時代の写真

 

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更新日:2019年03月28日