第2回:公民連携による水道事業運営とは?

公開日 2017年12月18日

最終更新日 2017年12月18日

▢公民連携による水道事業運営とは?

 水道事業における公民連携については明確な規定があるわけではありません。厚生労働省が作成した「水道事業における官民連携に関する手引き」では、手法のひとつとして「個別方式(従来型業務委託)」も掲載されています。
 個別委託方式は、個々の業務(検針・点検・管理等)を個別に委託する方式で、現在の小諸市もこの方式となります。それぞれ個別に委託契約を締結しますので、業務効率は良い方ではありません。ですが、これも広義では公民連携のひとつにあたります。

 この個別委託の業務を、ある程度まとめて委託に出す方法が「包括委託方式」で、現在の水道事業では最も多い公民連携の手法といえます。小諸市でも平成24年度から包括委託方式の導入を検討してきており、長野県内でも既に多くの事業体が「包括委託方式」を導入しています。

 しかし、従来型の委託方式では既存の民間企業に業務を委託するため、委託した業務に関して行政側に技術や知識が残らなくなるといった問題があり、また行政側の人員減による緊急時対応力の低下が懸念されると共に、そうした場合の委託先によるサポート範囲の取り扱いなども大きな課題となっています。

 こうしたことから、近年では官民出資による「公民共同企業体」での運営が検討され、導入事例も少しずつ増加していますが、その多くが大規模な事業体で小諸市のような小規模事業体における導入事例はまだありません。

 

▢小諸市が進める公民連携ってどんな形態?

  小諸市では、委託した業務自体にも行政職員が関わることで行政側における最低限の技術や知識の維持を図りながら、緊急時対応力の向上も見込める「公民共同企業体」による水道事業運営を選択しました。
 事業主体はあくまで小諸市となりますので、事業の計画、料金水準、資産所有(水道施設の所有)、災害等の対策などについては引き続き小諸市が行い、施設の点検管理・修繕、検針、料金徴収、窓口業務等の日常的な業務は可能な限り公民共同企業体で行うことを予定しています。

 つまり、変わるのは「業務の内容」ではなく「業務を行う人」です。

 検針業務などは現在も個別委託を行っていますので、公民共同企業体が引き続き雇用していただけば「人」も変わりません。直接使用者の方に関係する業務としては、窓口や閉開栓などの業務は「人」が変わります。

 

▢水道事業がどう変わる?

 日常のサービスや運営は基本的に変わりません。しかし、組織と人が変わることで専門性を高め、業務の効率化を図ることができます。例として、機械設備等の資格を有する社員を雇用したり、パートナー企業から派遣してもらうことで、日常の点検や整備に関する委託費を削減でき、故障などが発生した場合も迅速な対応が可能となります。
 また、そうした社員を育成していくことで組織全体の業務効率と技術力を向上させ、緊急時等においても特定の職員に負担の掛からない組織作りが可能となります。
 なお、水道事業における住民(使用者)サービスはもちろん、地域貢献などへの考え方もパートナー企業を選定する際には大切な選考基準となりますので、基本的にサービスは向上するものと考えます。

 

▢パートナー企業って?

 パートナー企業とは、行政が公民共同企業体を設立するための「相手」の民間企業等になります。公民共同企業体は、小諸市とパートナー企業が出資して株式会社を設立し、「従業員」も双方から派遣することになります。
 一般的には行政の出資比率が高いと「行政主導型」、民間の出資比率が高いと「民間主導型」の企業となります。
 小諸市では、民間の経営ノウハウ等が十分に発揮できるよう民間主導型の公民共同企業体を検討しています。
 パートナー企業は単独企業の場合もあれば、複数の企業の集合体(JVやSPC)などで実施されているケースもあり、それぞれの企業が得意な分野を受け持つといった方法もあります。

 基本的に募集・審査はプロポーザル方式となり、パートナー企業としての資格審査に通った企業が提案書を提出し、パートナー企業としての審査を受けることになります。審査に当たっては、専門家等を交え、公民共同企業体の経営方針、採算性なども含めて審査を行います。
 このため、応募した企業が複数あったとしても、審査に通る企業がなければこの事業は成立しません。(応募が1企業の場合でも、無条件でパートナー企業になるということはありません)

 

◆次回は、「小諸市におけるコンセッション方式」について解説予定です。

お問い合わせ

環境水道部 上水道課
TEL:0267-22-1700
FAX:0267-24-1340
備考:メール送信時はE-Mailアドレスの@(アットマーク)を半角@に変更してから送信ください。また、匿名のメールにはお答えできませんので、ご了承ください。