脳と心と運動の関係

公開日 2015年04月14日

最終更新日 2015年04月01日

「体」をコントロールできれば「心」もコントロールできる

「心」つまり感情のコントロールを行っているのは、脳であることがわかってきました。脳の中には前頭葉という部分があります。さらに前頭葉の中の後方部分には運動を司る「運動野」が、前方部分には感情をコントロールする「前頭前野」という部分が存在します。運動野は体を動かすことによって活性化しますが、このとき、前頭葉全体の血流量が増加して、前頭前野も同時に活性化することになります。つまり、「全身運動をすることによって、前頭前野が活性化し、感情をコントロールする力(注意力、抑制力、判断力)がよりうまく働く」のです。

また、一日の活動量とコミュニケーション量(会話数)は比例するということもわかっています。つまり、動きまわる人ほど、たくさんの人と関わってコミュニケーションをとっているということです。体を使った遊びや全身運動は、ケガをしにくい体や丈夫な体をつくるためだけではなく、「脳」や「心」の発達につながります。

脳内の神経のつながりは8歳までに90%ができあがり10歳で完了してしまう

脳の成長は他のどの器官よりも早く、大人の脳を100とした場合に、8歳で90%完成してしまいます。ここで重要なのは感覚・神経系の成長は早く、8歳までに大人とほぼ同じくらいまで成長してしまうということです。つまり、体を動かすための制御盤はこの時期にできあがってしまうのです。特に神経回路が活発に結び付き、成長が著しいのは幼児期で、この時期にいかにたくさんの運動経験、多種多様な動きをしたかで、運動神経が決まるとも言われています。

最近の研究からも、いわゆる運動神経は数%に遺伝的な要素はあるものの、むしろ環境によるところが大きいということが言われています。10歳までに多くの経験や体験をさせることで、運動好きな子どもに育ちます。

しかし、ただやみくもに運動すれば良いというわけではありません。この時期の子どもにとっては、忍耐・根性論は良くない影響を与えてしまう可能性があります。「楽しい」「やってみたい」と子どもが自ら動きたくなるようにすることが重要です。この時、脳の成長にとって良い影響のある神経伝達物質が分泌されます。

楽しみながら、「できた」という成功体験を積み重ねることで自信がつき、次へ挑戦する意欲、豊かな心が育ちます。一方で、強制されたり嫌々運動をさせられた場合は、脳の成長にとって良くない神経伝達物質が分泌されるため、心がすさんだり、運動嫌いになったり、人格形成に悪影響を与えてしまいます。